「青いということ」/ベンジャミン
 
いつか見た空がそうだったように
かつての自分がまだ幼かったように

青いということは

色であったり
色であらわされた姿だったりする


   ※


ごめんなさい

ただ空や海が青いという
それだけでいられたなら

しあわせであることは
そんなに難しいことではなかったかもしれない

青い鳥もただ美しい鳥で
青い心も初々しいだけで

それを青く感じるだけですんだはずなのに


   ※


どうしてこんなにも自然は青く
どうして青くなければならないのか

よく見ればわかることを
ぼくらがほんとうに見ようとしたなら

そこに映し出されるのは
自然の青さではなく
そのときまでの自分であることを
まだ青いと語っているだろう

だからこそ今は
まだ空や海が青くていい
その青さをじゅうぶんに吸い込んでからでいい


   ※


ごめんなさい
あやまることではありませんでした

これから生きる世界に
どんな色を重ねてゆくかは

とても自由なことなのですから


 
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