無題(死んでいる誰かと)/
はるな
誰かが死んでいて
わたしたちは抱き合っている
朝
誰かは必ず死んでいて
痛いまま
泥へ促される
わたしは抗わず
誰の手もつめたくない
忘れものを忘れたまま
延々とあかるい窓をさわり
あの人もあなたも
いらないと思う
朝
誰かは死んでいて
わたしたちは
抱き合っていると
なぜだか信じていた
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