憂鬱の鎖/ただのみきや
 
いつも猫ばかり見ている

静謐な佇まいに時を忘れ

衝動のまま自らを由とする様に息をのみ

猫という美しい獣に憧れ続けている

 わたしは悲しい犬

どれほど否定しようとも

犬は犬 性は性

主人に褒められたくて今日も尾を振っている



ああもし猫になれたなら

この首輪もリードも捨てて

主人との絆をも捨てて

自らが主人 たった一人の王国

見慣れた景色が雨上がりのジャングルのように虹色に輝く

いつも一番お気に入りの場所を見つけ出し

全て煩わしいものから遠ざかる

静かに時のせせらぎを見つめよう

季節の変調を敏感なひ
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