二重線の輪郭/itsuki
時にいちばん残酷なことを
あなたに言ってやることができた、
献身が刺すようになって
孤独ばかり透明になる
愛憎の宛て
尖る、直接的で暴力的で
いっそう悩ましいものにわたしはなる
ゆるされないことゆるされたくないことを
あなたの背骨のひとつずつに結んでいった
それをしずかに撫でるのが好きだった
悪どさを、
とがめる、
光いっぱいの真昼にはつかれて
薄い幕一枚向こうの
影だけが綺麗になるような、
そんな風なところであなたと
じゅうぶんなだけの息をしていた
透けたら流れて
はなしはじめた口びるが
いやに乱暴にされるのを
そのままにしておくしかなかった
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