木が空ばかり見ている日/木の若芽
 
木が空ばかり見ている日
            木の若芽


木が空ばかり見ている日
わたしは心をふりしぼり
出る限りの言葉を
なる限りの祈りや歌や叫びや呼びかけにして
流そうとする

きっと木はしらんぷりせず
花を 葉を さしのべる
心を
愛を
それは宇宙のすることじゃないか
宇宙のすることを木はするのだ

木が見ているものを宇宙も見ているから
木よ わたしを見てください
一切を見てください
空ばかり見ないで

   ***

津波からよみがえった渚に
木が立ち永らえる
あの木が人々に希望を与えますように
あの木が宇宙樹になりますように


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