一二三/葉leaf
 
望台は結局一人称の砦ではなく、それは居場所のつかめない三人称がいつのまにか造形した作品群に他ならない。彼はその固有性の沃土をなるたけ普遍性のやせた土地へと分け与えた。そのため固有性の作物の一部は死んだが、普遍性と固有性が交配して、彼そのものにも二人称と三人称が植え込まれた。そもそも交わらないはずの「私」と「あなた」と「彼ら」が、言語や振る舞いを通じて共通の回路素子で交信しあうようになる。さて、明日は面接だが、もはや一枚岩となった一・二・三人称が和解の地点を見いだせるのは明白だろう…


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