一二三/葉leaf
何を残していくべきか、何を食べなければならないのか、どのような回転数が一番ふさわしいのか、そんな問いたちを浜辺の光の中へそっと解き放つ。浜辺はやがて郊外となり市街地となり事務所となる。そこからさらに遠く、海を隔てた大陸の平民たちの暮らしが目に浮かぶ。自転車、コンクリート、木材、自動車、信号、砂埃、時計、机、星のない空、観葉植物、人のいた形跡。人々はすべて痕跡であり、痕跡同士が呼びかけあい、痕跡のためにいくつもの工業製品が作られ商業が発達する。彼もまた一つの複雑な痕跡として、痕跡として完成するために、今日もまたサービス業の痕跡に身をうずめようとする。ああ、人々の外観はなんて美しいんだ! すべてがわず
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