蓄える時間/朝焼彩茜色
 
青信号の点滅に 絶対に走り出せない

 雀をおどかしたことはない

念には念を 押して叩いて壊れても修理する

 深爪の隙間に邪気が来ないよう

 己の紙一重の欠点を煎じて 喉が渇く

もしも 万が一 そんなもの風次第

 されど 詰めの甘さは 絶対に許さない

青信号の点滅に 走りたくない

 雀をおどかしたくない

忙しい速度を流す者から 置いていかれようと

 雀をおどかしたくない

 深々と本日の顔の空へお辞儀する

 感じるしか出来ない本日の空の表情

走り出せない

走る者の時間と己の呼吸感

どうであれ 走りたくない
戻る   Point(7)