流星群/
梅昆布茶
帰ってくる夜なのです
手をつないで渡った橋が見えたり
秋風と草原の匂いや
握り締めたてのひらにのこっていたものや
愛とよべない幼さや
川面のきらめき
午後の静謐
舌をつきさすたばこのくゆりや
喪失をともなった痛みの甘さや
体を震わせる幾千の漣のように
燃えて溶けてまた時のなかに
かえってゆくのです
そんな名前のない想いの数々に
であえる夜なのです
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