流星群/梅昆布茶
その夜そらは光の雨で満たされて
彼方の丘の上にまたひとつ星が突き刺さり
まるで堕ちてゆく天使のようにうたいながら
ことばのかけらのように降り続けるのです
こえにならない声がきこえて
胸をざわめかせる音たちはなんだか
むかし聴いた波のおとにも似て
まるで夜の浜にうちよせるように
光年をこえて想いは
空の深奥からやってくるのです
ひとつひとつが憧れや後悔や
郷愁や破綻や慟哭や
さまざまの色をたたえて
分裂し拡散し微塵にくだけちって
記憶の堆積のフラッシュバックする
星の道の終着点の夜
そうなのです
それはむかし空にのぼって消えた
無数の想いが帰っ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(19)