流星群/梅昆布茶
 
その夜そらは光の雨で満たされて
彼方の丘の上にまたひとつ星が突き刺さり
まるで堕ちてゆく天使のようにうたいながら
ことばのかけらのように降り続けるのです

こえにならない声がきこえて
胸をざわめかせる音たちはなんだか
むかし聴いた波のおとにも似て
まるで夜の浜にうちよせるように

光年をこえて想いは
空の深奥からやってくるのです

ひとつひとつが憧れや後悔や
郷愁や破綻や慟哭や
さまざまの色をたたえて

分裂し拡散し微塵にくだけちって
記憶の堆積のフラッシュバックする
星の道の終着点の夜

そうなのです
それはむかし空にのぼって消えた
無数の想いが帰っ
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