ガリレオ/板谷みきょう
 
小学校6年生の時
国語の時間に将来なりたい人を
発表した

真実を
最後まで貫いた
ガリレオ・ガリレイのような人に
なりたい。

みんなの前で
そう
発表した

板谷クン。すごいネ。

沢町小学校に
5年生で転校したから
その時のボクには
幼馴染の同級生は
誰も居なかった

緑ヶ丘小学校には
宮本君が紀藤君が居た

お別れの日に
宮本君に24色の
油性マジックペンをあげたら
ミヤマクワガタのプラモデルを
貰ったんだ

暫くしても新しい学校の
同級生には
馴染めなかった

いつも
仲間外れのような疎外感に
孤独だった

中学に入ってから
ガリレオ・ガリレイが地動説で
宗教裁判に掛けられて
自分の説は間違いだと
自説を翻したことを知った

6年の時に
発表した内容そのものが
間違いだったことで
恥ずかしくなってしまった

その恥ずかしさは
半世紀以上生きてきても
消えることはない

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