アトリウム/いばら
 



わたしたちが
生まれたときから知っていて
生まれたときから許せなくて
生まれたときから諦めていること


継ぎ足しながらダラダラと生きてきて
摩耗していようと
瞼を閉じれば
いつでも帰ることができた


季節は夏


ガラスの向こうに広がるアトリウム

土の匂いと
バニラアイスクリームの匂い

わたしが生まれて死ぬところ
そして何度も蘇る


(サンクチュアリの中の、アトリウム)





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