うつくしく生きよ/いばら
 



恥じることなく
うつくしく生きよ
メビウスの輪の上をぐるぐる歩き回って

あなたはガラス
簡単に壊れてしまう
震える手に
光をたずさえ

わたしは錆びたナイフ
傷をつけてしまう


「ねえ、ぼくたちの手のひらにある心臓の形は今こんな風に動いているのに逢えない日が続いてそれすら嘘みたいになったら悲しくない?」

ねえ、一体
恐るべき速さで遠ざかる

われわれの血は何色なのか…


それは
歪んでいく両の眼から零れ落ちて

肌の上で
音も立てずに
きらきらとまたたく

そして消えるんだ

いつか思い出せなくなる日がやってくる

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