さざ波/yaka
だめだ、もうだめだ、って
ふかいふかいため息 ひとつ
さざ波が足下でピタリと止まる
切り取ったやさしさの中に
横たわったまま、色あせてしまおうか
いつもいつもたりないものがある
こんにちは、わたし
水色のワンピースを着て、それに合うサンダルが無いのよ
降水確率10%で、ずぶ濡れになれるのよ
黙ってりゃ上手くいったのに、ひとことふたこと余計なのよ
それからなにより
大好きなあなたと、描ける未来が無いのよ
正直に選ぶほど、たりないものが増えるのよ
もっとかしこく行きなさい、おとななんだから
小石をけっとばす、わたし
だめだ、もうだめだ、って弱音吐きながら
飽きもせず
風に吹かれてキラキラ光るさざ波を見てる
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