姉/mizunomadoka
フラガナの長い雨も止んで
月と花が欠けるころ
一枚きりの便せんが
何重にもテープを巻いた封筒で届いた
何を守っているの? と思ったけれど
外国だから心配だったんだよね
8月の日曜日、
姉と最後のお出かけをした
姉に子供ができたとき
「どうしよう、あんたの子よ!」と
ひきつって笑ってた
別れ際に「またにてぃ〜」と言って
恥ずかしそうに笑う
言わなければいいのに
いつも姉は・・
手紙を読みながら
懐かしくて胸が痛くて死にそうになった
「私は妹だから、お姉ちゃんの子供はできないよ」
って言われたとき
淋しかったよ〜
と書いてあった
私もそうだったよ
悲しかった
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