叙事詩??物語・詩??/……とある蛙
 

             それを僕は聞いている。
痩せた若者の、落窪んだ、ひたむきな目を、僕は
見つめていた。それもまたかつてはあの緑を見たことがあるのだ。
闇夜のなかで僕はタバコを吸うだろう、海さえも無視して

                河島英昭訳

 「灼けつく土地」※2に関しては連の重要性がさらに読み取れます。つまり、第一連と第三連は流刑地の南部の現実を第二連と第四連は故郷の北部との女性達の対比により閉塞感を描いています。そして第五連載修練は流刑によって縛られた自分「僕」もひどい南の現実の中にある南の一員となります。南と北とに分断されたイタリアの状況を記述しているだけで
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