秋のワイン/木の若芽
「秋のワイン」
木の若芽
ぶどうの木に宇宙が実っている
一粒一粒の小宇宙の魂が
ほろ苦く ほの甘く かすかにすっぱい
この味こそ宇宙の味わいだ
だが宇宙の香りについて
まだわたしには謎
草木は葉も花も実も種も
それぞれになんと香っていることか
その香りが太陽と風と土の
力あふれる恵みを人にも伝えてくる
気がつくと自ずと自然の恵みに感謝していた
そんな世界になるように
祈りを楽しみながら 思いを安らぎながら
舌にしみるワインの滋味が
体の中に響いて響いて
歌になっていく
晴れても降っても 花はうれしい
元気でも疲れ気味でも
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)