君らとはもうやってられない/番田 
 

ひとりでいるときに風が吹いていた
夢を見ることが 虚しい
こうして遠くを行く雲を見ていることのほうが楽しかった
なぜなのかはわからないけれど そうだった


山手線で街行く人たちを眺めていた
人との金銭のやりとりはまるでゲームのようだった
きっと 経済なんて そんなもの
通り過ぎていく人に 存在意義など残さない



そして 上野で ある日の月曜日 
売春目的の女とホテルへ歩いていた
僕は 何か疲れていた
ただ帰る気力もなく人混みを流れていた


見えているものとはなんだろう
目に見えないものを 人は求めているというのに
見えているものの世界を 生き
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