愛しいひとへ。/AquArium
寝息さえも聞こえない朝
あたしは呼吸を飲み込んだ
あまりにも
優しい顔をしているから
右手をそっとあてた心臓
ーもう、
世界は新しい
古くなっていく時間
虚勢を張り合って
いたとしても、
明日を信じてみない?ー
すべての
一秒先が怖くて
時間を止めてしまうのは、あたし
遅くなっていく
なにか悟ったような
あたしを見たあとのまばたき
知らないことが
不安より安心を
もたらすなんて、切ない
マルボロの苦ささえ
まるでなかったかのような
飄々と迎えにきた朝
ーもし、
気まぐれな淋しさが
またあなたを襲うとき
一番に思い出してくれたら
あたしの世界を
信じてみませんかー
あなたの世界を見てみたいです。
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