紙でできた街/いばら
 



嫌気がさしてある日とうとう
ベランダから落下する
あるいは駅のホーム


健康的な若いからだが
ばたばたと倒れていく
この国のわりとひらかれた土地で
わたしはこのごろ
絵に描かれた樹と
ホンモノの樹の区別がつかなくなってきた



夜中に家を出て
ガラスケースの中から
クッキー&クリームを選ぶ
このような身分に感謝して
いただきます


絶望とか愛とか真理とかそんなこと
一生考えてもわからんわ
毎日泣きそうだ
しかも怒ってる
ロシアンルーレットみたいに思うよ



わたしはまだ死んでない
わたしはアイスクリームを食べている
明日はわからない
今夜ふとんに入って
朝は目覚めないかもしれない


だけどもっと歩いていたいよ
絵みたいな樹がたくさん植えられた道
テレビをみたいよ
お母さんのご飯が食べたいよ
あなたに会いたいよ
声を聞かせてよ


死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない






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