水戸黄門ダイジェスト/salco
すな」
徳川光圀 「駕籠と違って上へ下へと揺れぬのも良い。あれは首と腹に悪い」
格さん 「左様でございますな」
徳川光圀 「これが津々浦々へと延びれば、諸国漫遊も夢のように楽になるな」
助さん 「はい、さぞかしお国入りもお楽になりましょう」
徳川光圀 「しかしこう頑丈な箱に詰められ通しでは、旅の空が味わえないか」
格さん 「はい、宿場までの風光が割愛される気がいたします」
徳川光圀 「うむ、旅路を辿れぬ。そこがつまらぬ所だな。そうだ、せめてこれを…」
助さん 「ほお、良い風が入って参りました」
格さん 「これは爽快なゲホ、ゴホゴホ」
徳川光圀 「前で何を燃やしておるゲホゴホ」
助さん 「何でも石炭とか。目が…」
徳川光圀 「これはいかん。息が…」
格さん 「いや、わだじが閉べばじょう」
徳川光圀 「…… ぶう、往生じだ。おや、助さん格さん、顔が黒いぞアッハッハ!」
〜 完 〜
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