未開の詩よ/ただのみきや
 
 書きたかった
ずっときみのことが

心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように

まるで澄まし顔の
 未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの

やがて旅人でしかいられない誰かが
その装いを解こうと
花を抱く蝶のように
おまえの中に隠され甘い蜜(灼熱の毒)を求めて

ああ だが手ごわくあれ
夜の窓辺の猫になれ
闇の中から見つめ返せ

甲冑の中から匂い立て
 わたしの娘
 未開の詩よ

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