だれにも心配かけたくなかった/吉岡ペペロ
 
ぼくは馬鹿だった

ぼくは天才だった

感じていたのは無力さではなかった

じぶんの有害性を感じていたのだった

ひととはうまく交われなかった

それがぼくを

強くもしていたはずだったのだが

ぼくは馬鹿だった

ぼくは天才だった

だれにも心配かけたくなかった






戻る   Point(11)