美事な意地/木の若芽
 

新しい地に生え移ろうとしていることを

きゃしゃな茎葉から豊満な花を咲かす
さるすべりの美事な意地
ぎこちなくいじけて見えてもたくましい、りりしい花を咲かせつづける
さるすべりを深く愛する今日

香りない花にある気高さを語る言葉がなくて
つくづく白い雲を眺める

雲の下で晩夏の木々は
枝の柄 下向いて垂れ
ゆらゆらと紅色をふるわせる

告白したい
何があろうと勇気はある
あきらめないことを
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