美事な意地/木の若芽
 
「美事な意地」
             木の若芽


告白したい

みんなを愛しているのに 一人でいたい
つながりたいのに 孤独を求める
感謝していながら 愛想がない
人でありながら 植物のようであることを

この世にいるのに あの世も親しい
不器用で 想像にふけり
無欲で 空っぽであることを

このありのままで
みんなの前にいることを許してほしいと願う
小さな木の若芽だということを

存在は小さなままでありたいと望み
心だけ内に深く深まり
広く広がりたいと祈っているということを

それが偽りない本心だということを
そうしてあの柳とけやきと同じく
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