九月の前に/木の若芽
「九月の前に」
木の若芽
うれしいことと苦しいことの激しい交錯の上を
不可思議光は照らしているよ
みんなとつながっていることが最高の贈り物だと
気づかせてくれるこの不可思議光が
真の贈り物だ
私はこんなに生きている
こんなに生かされている
この不可思議光におおわれて
心から
この私の小ささと
この地の大きさと
みんなとの出会い、つながり、ゆるし
不可思議、慈悲、愛、恩恵
ああ泣けなかったら気づかなかった
ここまで深く感じなかった
しみじみと思えなかった
感謝して泣こう
喜んで泣こう
泣きながら笑おう
白い月も泣かせるその涙で
新しい月を迎える夜の満月が見えたら
感謝して泣こう
おしろいばなも上を向いて咲いている
なまあたたかい夜が来る前に
黒い蝶のように
初枯れ葉が飛ぶ
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