追想/
春日線香
瞳を
置き去りにした
夢見ながら
止まった時を遡り
写真の中で
あらわな通せんぼうをしている
視界は遮られ
鼓動は
手遊びのように
雑草のように
刈り取られると
ぶら下がった足を揺らし
木陰を作ったかと思えば
緑が覆う
水面に明るく
漂う花を
上手に噛んでみせて
置き場所のない
そこで夕方まで
あなたは
聴こえる歌を聴いている
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