光の遍歴/
木立 悟
が陽光に溶け
夜のかたちに冷えて固まり
星の時間を受け入れながら
光を光に撥ね返している
洞と骨が響きあい
音を赤茶に染めている
花はいつも迷宮に生まれ
窓を笑顔に戸惑わせている
夜は夜の途中で目覚め
硝子の空を踏んでいる
歪んだままの灯台の屋根
浪を浪に手招いている
光を光に裏返し
涙は今夜も推力を得た
見えないものらの
標に触れた
呼吸を忌避するいのちから
空に刺さる小羽が昇り
笑顔を笑顔に閉ざすつぼみを
血と血と血と血にはばたかせてゆく
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