パークサイド裏/salco
 
和を撤去した3台置きのパーキングを
横目に通るオッサン達を引くには早い時間

雪の2月
同じ薄暮に黒のジャンパーで背を屈めていた
あの痩せた、小柄な子は辞めたらしい
あまり気の毒で予備のカイロをあげた
目鼻の貧しい顔をして
自分の体を抱いていたあの子は今
もっと良い所で働けているのだろうか

素っ気ないしつらえの繁華街と違い
黒ずんだセメント塀じみた湯島の風情は
湿度を帯び懐かしい頃に似て好きだが
男の子には、こんなしみったれた所で
ささくれて行って欲しくないと思った
荒むなら歌舞伎町で暴れて来い、と思った

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