近代的詩性についての備忘/るか
私にとって、かけがえのない言葉との交わりの記憶をある程度なりとも感情を伴った心象として想起したいとふと思う折に、参照されるのは、中上健次であったり、ジル・ドウルーズだったりするのだが、その辺りのことをこの時間に思いつくままに備忘的に書きつけておきたく思った。
この二人は当然のことながら国籍も文化的コンテキストも活動のメインフィールドも、世代も全く異なるのだが、私にとって何かよく似通った手触りを感じさせるのは、たんにその読書体験が並行して行われていたという事情以上に、蓮實重彦という批評家の存在が大きいのかも知れないし、それ以上に、彼らのあいだに何か共通する資質のようなものもまた、あ
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