夏の結晶/マーブル
かなしいことを口にしたら雲が風任せにすばやく流れていた
ミネストローネのスープ色をして
逆上がりの途中でぐるんとかき混ぜてみた
急いで脱ぎ捨てた夏の終わりは
ドットが三つ歯切れの悪い調子で
インストロールもアンインストロールも出来ないまま
つぎはぎで縫った鮮明な憂鬱さの光度といったら斑模様で
そんな色違いの靴を履いて
小さい舌うちはよくもまあ響き渡るわけだ
無駄に滴るなあ
忘れ置いてきた白い傘が倒れていたこと
後ろ髪を引っ張られながら蝉の鳴声は青い陰へと落ちてゆくのかと
指先で唇をさすり考えている
時間がにわ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)