がらくたくだり/ホロウ・シカエルボク
 



長く呪うような雨が好きだ、長く呪うような雨が降り続けば、それよりもずっと怖ろしいおれの心中はどこかに隠れていることが出来る。心情的な濡れ鼠と化しながら、おれはだらだらと夜の行く先を見ている。どんな今がここにあるわけでもなく、どんな明日が控えているわけでもない。ただただ降り積もっていくのは過去ばかりで、それが重い布団みたいに肩口のあたりにどっしりとのしかかっている。生きるというのはそういうことだ。今について、明日について、戯言を並べることは出来る、だけどそれが本当だと証明することは絶対に出来はしない。今や明日を語ることは、いちばんみっともない嘘をつくこととたいして変わりはない。長く呪うよ
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