横断歩道/吉岡ペペロ
 
駅から流れる

家路を辿るひとの群れのなかで

ただ恐かった

人生や血脈が

にほん足でとぼとぼ歩いていた

それが恐くて


点滅する信号を見つめていると

生きている意味を見失いそうになる

泣きたいのかな、俺

笑いたいのかな、俺

横断歩道の鍵盤を見つめている

世界がだれもいないふりをしている


駅から流れる

家路を辿るひとの群れのなかで

ただ恐かった

人生や血脈が

にほん足でとぼとぼ歩いていた

それが恐くて






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