夜のぬかるみの中で不十分な手入れの銃を構えている/ホロウ・シカエルボク
中を流れているような気がする
でっちあげられた日常の中に片端から飛び込んで
そしてすべて忘れている俺はときどき悪い病気でも抱えたみたいな気分になる
だけど目が覚めても苔のように脳味噌に貼りついてる感情がいくつかあって
それらはあえて言葉に変換しようとしたらたぶんそんなに気分のいいものにはなりはしない
明方の前にいつも得体の知れない鳥が鳴く
内臓を握りつぶしたときに出るみたいな声で鳴くんだ
そいつの声を聞くといつもああ一日がまたどこかへ流れていこうとしているなと思って
どういうわけだか分からないが俺はいつもなぜだか少しだけほっとする
そんなときに俺は自分の生身を感じるんだ
自分の生身が気持ちの奥底で求めているもののことを
この詩を書いているうちにいつのまにか
日付変更線を過ぎてしまっていた
日付変更線なんてものを意識しながら生きているやつがどれくらいいるのか知らないが
俺は日付変更線をまたぐときの、あの…
「生還した」とでも言えそうな気持ち
わりと
わりと好きなんだ
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