対峙/chocoa
 
症状は悪化する一方
健常を装って吊革にしがみつく
どうにもなりようがないと自分を諫めても
慰めになってない

痛みで脳が壊れていく
窓の向こうは薄墨の壁
何か願いでもあればいいけれど
今のところ何も見い出せず

私が必要だと信じてたものは
いつのまにか刃物にすり変わってしまった
もうどうにもなりようがない
轟音で思考も薄れていく

痛みが増幅する
私は健常だ
逃げ道などなくていい
だけど
吊革を離せない

いつどうなるのか
教えを乞うように
刃先を見つめたまま
轟音の中にいる
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