人間の条件/メチターチェリ
この、朝からくそ暑い共通世界において
社会化された集団的生命過程の私は
繁殖と
ささやかな財の蓄積のためにペダルをこいでいる
見上げれば空虚な青空
反発的な日差しが剥き出しの肌を焦がす
今朝も4時間しか寝ていない私の命は
松果腺の先から熱く燃え
赤と視神経を被うマグネシウムの閃光
肚の底から煮え立つ精気に膝が笑う
それを見た
君も笑い
世界中笑顔で満ちればいいのに
苦い笑いでもいい、熱闘に包まれた世界
チャリをこぐ過去からの一つづりを
赤信号で止まっても懐かしむ余裕はなくて
空は高くちぢれ雲がひかり
あらぶるワンボックスカーが歩道まで突っ込んできて
いっそ轢き殺してくれればいいと何度思ったかと
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