そんなまちにすんでいる/たりぽん(大理 奔)
いまだに焼かれている
真夏の紫外線に焼かれている
皮膚を失ったその石積みが
角質化した褐色のコンクリートが
汗ばむのは
放射熱、反射光
白いテントで防げないその閃光に
遠く台風雲を浮かばせる落陽に
ハンバーガーをかじりサングラス
七分丈のパンツをはいた白人も
シーバスを釣る釣り人も
北海道から反対に来たという
婦人の日傘も
いつも反対が仕事の人も
悲しむ人も、笑ってる人も、怒ってる人も
ガソリン焚きながら
クーラーのきいた涼しい部屋で
もうそんな世界は来ないとあきらめてる人も
灯篭を流す人も、儲かった蝋燭屋も
もうずっと真夏だ
のどが渇く真夏だ
デンキがないと困る夏だ
発電すると怖い夏だ
夏だ、夏だ、
あの日からずっと夏で
いまだにずっと
やかれている
びょうどうに
やかれている
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