夜と片目/木立 悟
 
える


水色の猫が
黄金の蛇を連れてゆく
道と標の 永い会話
廃園に
鳴り止まぬ蒼


雨中楼閣
人は流れ
影を見送り
門をくぐる


光が二人
光に連れ添い
一人を左目に置いてゆく
夜が まぶしすぎぬように


ひともとの
病の花
夜に浮かれ 夜を進み
夜の終わりに帰らない


見えるうたがまた見えなくなり
痛みが痛みに見えるとき
門をくぐる青空の背に
夜と片目は触れてゆく



























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