粋人の午睡/……とある蛙
 
夏の雪降る深海の
窓にうっすら映る影
ちょうちん鯨の大口に
飲み込まれたのかマルラメの
思考の中の小宇宙

星々の輝き 極彩は
積乱雲のその向こう
遥か彼方に拡散し
そのまま夢の辺境の
秋の午睡の夢のまた夢

劇中劇の伝聞の
新超星に覚醒し
そのまま尽きるか
その命運 

人里離れた果ての果て
端太鴉が頭上を舞い
狙われるものはこの魂
諦めるには早すぎる
棄ててしまうには多すぎる

頭上天空 見上げれば
極彩色の諂曲模様
賢治にへつらい
地上にへつらい
描く地上の虫の溜息


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