麦茶/
草野春心
ぼくらは
月の上で、
胡坐をかいて麦茶を呑む
部活を終えた中学生よろしく
ぼくらは宇宙の果てで
煌めく星を見ない
空気も吸わない
ただぼくらは
好きな子の言いあいっこをする
まだ誰も
測り知ることのない
ぼくらのなかに広がる闇に
一本ずつ
一本ずつ、
誇らしげに旗をたてる
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