白と黒/
木立 悟
小さな円にあふれる花
雨の朝の鳥と痛み
夜の網の無音と光
午後に横たわるひとのかたち
置き去りにされた灯と灯の間で
光は踊りつづけている
みんな
何かに乗っていってしまった
道には
柱の影だけがあり
細長い鏡のようにひび割れている
白と黒は鳴らしている
白と黒を鳴らしている
水紋へ 水紋へ
白と黒の輪を伝えつづける
道のすみには空があり
喉を流れる氷を見ている
咲く花のなかに横たわるひと
横たわるかたちに咲く花を見ている
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