ブロック塀/灰泥軽茶
 
灰色のもやがかかり
ぬうぅっとこんにゃくのように
体と意識が柔らかくなり
だんだん塊になっていき
コンクリートの壁となり始めていたが
ふと上を見上げると屋根が見え屋根は続き

小さな頃よくブロック塀やひさしを歩き
ひとんちをぴょんぴょん飛び回っていたなぁと思い出し
ぐいっと窓につけられた格子を引き寄せ
足を壁にこすってこすって登り
屋根に登り屋根から屋根へ
たたたたっと
夢中で走って逃げて
大きな河の土手に転げ落ちた







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