ブロック塀/灰泥軽茶
となりのまちから
ひとえき切符を買うより
ぶらぶら歩いて行こうと思ったのが
何かの間違い
閑静な住宅街を歩いていると
だんだん道が狭くなってゆき
家も密集してくる
もとの道を戻ろうとすると
ぐるぐる同じような道を歩き
ところどころ
新しくコンクリートで
つるつるの壁ができてしまっている
仕方なくすすんでいくと
道はもうなくなり
家と家のすきまを
体を横にしないと通るしかない
どこの家も同じような作りをしているが
それぞれ朽ちかたが違い
生活感がにじみ出ているのだが
人の気配がちっともしない
とうとう体がつっかえ
じっとしていると
灰色
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