にぎわし日/田代深子
 
に抱え肩をくゆらし
鳴らすのどの延年の唄
すべらかなる指かわきたるみひかる皮膚の
三弦をつかう指おとならす指の


にぎわうとむらいの音曲
かな小父に名残の三弦

おれは行かない おまえと同じには
行かない
こよの
むすめのような唇に紅を塗りたいと
そのおもてに延ばす指の先の
空となれ影が震える



             田代深子
             2003.7.5


戻る   Point(10)