生贄/コーリャ
ワイみたいな色をした瞳の男が
異端審問官として喫煙者たちを眺めている
めのまえを横断していく
二両編成の列車は
仲良く手をつなぎながら
雑種のしょくぶつがよこしまなことをしている森の奥へと
いみもなくわらいあいながら
かけこんでいった
そのあいだ
ずうっと車のラジオは
季節のはなしをしていた
レモンを半分にきります
片方はすてます
のこったほうを
お皿にそえます
はいどうぞ
これが六月です
ということらしかった
・
神様は
ひとびとを、はんぶんこにしちゃったそうである
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