つち/mizunomadoka
 
埋葬される私の胸に
日記帳がのせられていた
長い乾期が始まり、色褪せた紫丁香花が
垂れ下がっている

台風を待てば故郷は救われる
そう言って村人をつなぎ止めた
かつての独裁者の像が見下ろしている

まだか、まだか

信じられないくらい白い顔で
愛していた人たちが
横たわる私に
森の土をかける






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