しょうけいのひまらや/佐々宝砂
のに弱いから
冬山はやらない
私はやらない
いまはねむるとき
真っ白な雪にうもれて
木のうろに丸くなる
ヤマネみたいに
夏がきたら山にゆこう
ひまらやはとおいけれど
ほらわたしたちの背後には
いつも悠々たる南アルプス
夏がきたら山にゆこう
テントと
マミー型のシュラフかついで
古ぼけたカラビナみたいな絆でも
それはまだ切れていないから
とうさん
いまは冬だけど
ヤマネみたいにねむっているけど
夏がきたら
しょうけいのみなみあるぷすに
夏がきたら
きっと
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