女って/まーつん
 
まれ持った性(さが)故に
誰かを傷つけようとするたびに その刃の憤りを諌めてくれるのが 女

女は愛を欲しがっているから 好きだ
なぜなら男達には 包み込む優しさよりも
突き刺すような鋭さの方が 真実だから

男は力の支配を信じている
女は力の醜さを知っている

女は優雅に泣くことができる なぜだろう
一体何処で彼女たちは 痛みに馴染んできたのだろう

男が泣くのは 城が崩れるのに似ている
それは敗北を意味する 俺たちの胸板は城壁
その内側に 小さなプライドや信念を抱え込んで
後生大事に守り続ける いつの日か どこかの女の美しい両腕が
その重い城の門扉を押し
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