憂い/
灘 修二
私の心臓に突き刺さった一本の棘。
抜くことはできないのか
河は輝いているが、私は輝きをなくし
生気が吸い取られていく
私の中の水面はどぶねずみ色になり、
なくなった。私も私でなくなった。
私が私でなかったら、だれなのだろう。
でくのぼうが、とぼとぼ川岸を歩いている。
水面がない河が流れ、泥の中を歩いている。
きれいな絵を描こうとして、泥の中に沈んでいく
やがては泥流にのまれ、
スカイブルーで描いた自画像も流れた。
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