小包み・函館山/
たりぽん(大理 奔)
今日、両親から荷物が届いた
シャケは辛塩で、焼くと真っ白になる
タラコは無着色で、見た目はマズそう
これら北海名物を口に運びながら
函館山に打ち寄せる
海峡の早潮が岩に砕けた白濁の泡を
おでこのあたりに思いかえす
星空の一番明るいところを切り取ったような夜景を見るとき
その背中で、砕け散る波たち
そのざわめき
そのつめたさ
父と母は坂道を下りた魚屋で
そんな故郷の記憶まで詰め込んで
決まってこの季節に
送ってくるのだ
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